第2部開始

リングにかけろ1

今から45年前、少年ジャンプ1980年新春第7号において、リングにかけろの第2部がスタートしました。

こう書くと「リングにかけろに第何部とかあったっけ?」と考える方も多いかと思いますが、それも無理のない話しで、この表記は週刊連載時のごく短い間だけ使われており、コミックス版では抹消されているため、忘れてしまった方もたくさんいるでしょうし、コミックス版から読み始めた方はそもそも知る由も無かったのです。

さて、この第2部ですが、当時ははたしてどんな展開になるのか、全く想像がつきませんでした。なんといっても主人公の竜児をはじめ、日本ジュニアが全員死亡してしまったのですから。ただ世界大会決勝戦の前に、アポロンやパンドラが「あのお方」という言葉を口にしていたので、おそらく今回はそのギリシアの親玉が登場するのではないかと、漠然と考えていたものでした。

さあ、そして待ちに待った第2部の開始です。予想通りと言うべきか、成田空港にバルカンなる人物が降り立ちました。ギリシアの諜報部長的存在のようですが、アポロンやオルフェウスとお互いタメ口で話していることから、おそらくこの人も中学生だと思われますw

空港に出迎えた部下が目的を達していないことに怒りを顕わにしたバルカンは、素手で壁を殴ると、腕の半分くらいまでが壁にめり込みました。「日本ジュニアが死んでいるなら肉片でも骨のカケラでもいいから引きちぎって持ってこいとあのお方に命じられたはず」とのこと。

しかし後になってゼウスはそのようなことを命じていないのが明らかになるわけで、結局このバルカンも小娘パンドラの策略に嵌まっていいように使われていたのですね。挙げ句、アポロンと共にサンドバッグに詰め込まれて仲間から袋叩きと、結構不憫な人でした。

話を戻すと、バルカン一行は日本ジュニアの魂が眠っているという富士の樹海に探索に繰り出します。そこで5人の墓を発見し、掘り起こそうとすると、墓の下から手が・・・もうこのシーンだけ見るととてもボクシング漫画とは思えません。これを、皆が期待と不安が入り交じりながら待っていた第2部の最初に持ってくるあたりが、車田御大の卓越したセンスですね。ちなみに前回紹介したnさん(Xアカウント @9_n_9_n_9_n)は「車田正美が何かを超えた重要な歴史のの1ページ」と言っていましたが、まさにその通りかと思います。

ということで翌週。墓の下の手の正体は、影道の塔で竜児と闘った玄武Bでした。さらにバルカンが周りを見渡すと、いつの間にか野火、幽鬼、黒夜叉、死神、玄武Aといった影道の蒼々たるメンバーが。そしてこの時バルカンが繰り出した必殺ブローがショッキングファイヤー(デッドエンドファイヤー)でした。

デッドエンドファイヤーについては以前にも書いているのですが、最近Twitterで「当時ショッキングファイヤーとデッドエンドファイヤーのどちらのバージョンを持っていたか?」とフォロワーさんに尋ねたところ、意外なことにデッドエンドファイヤーバージョンの比率が高かったのですね。

初期の出荷分がデッドエンドファイヤーとのことなのですが、私のブログやTwitterに来てくれる方は熱心なファンが多いため、前週の土曜日などにフライング購入しているケースが目立つので、それで初期出荷分をゲットできたではと分析しています。

あと、九州でもデッドエンドファイヤーが結構見受けられるのが興味深かったですね。当時九州はジャンプの発売が本州より遅かったのですが、おそらく遠い地域ほど先に出荷するという物流の関係でこうなったのではないかと。まあ些細なことではありますが、半世紀近く前のことをあーでもない、こーでもないと今になって想像してみるのも結構楽しかったりしますw

ちなみにこのパンチ、後ろにいる人間をアッパー気味に殴っていますが、相手がデカい玄武Aだったから良かったものの、もし小さな相手だったらどうしていたのだろうと、ちょっと突っ込みを入れてしまいました。

そしてこの後、影道総帥が満を持して登場し、やはりというべきか影道雷神拳が炸裂。これを見て「ああ、僕らのリングにかけろが戻ってきた!」とすごくうれしかったのをはっきりと覚えています。

さて、ここまで色々と書いてきましたが、第1部の終わりから第2部が始まったあたり、すなわち世界大会完全勝利から十二神戦突入までの流れは、リングにかけろの5年間の連載の中で、個人的には一番盛り上がった時期でした。そしてこれ以上の胸の高鳴りを覚えた作品に以降出会っていないということが、令和の世になっても未だにリングにかけろのブログを続けている理由だったりするのですw

タイトルとURLをコピーしました