リンかけ2アンケート

リングにかけろ2

このブログではこれまでリングにかけろ2(以下「2」)についてはあまり扱ってきませんでした。理由としては、前作(以下「1」)と比べて読んでいる人が少なく、また読んでいても途中で挫折した人が多いのではないかと考えていたからです。

しかし先日Twitterで「2」についてのアンケートを行ったところ、思いのほか読んでいる人が多く、また一度読み始めた人の約半数近くが「完走」しているという結果が出たためw 今回、このあたりで自分の考えを整理する意味も含めて総括してみようと思ったのでした。なおそれなりのネタバレを含みますのでご了承ください。

「2」については正直、否定的な意見が多いのも事実で、その主な理由としては1.画力の低下 2.ギャグ成分の増加 3.無理のある設定 4.キャラの魅力の半減・・・などが挙げられます。

で、これらの個々の解説を行う前に、まず私自身の立ち位置を言っておくと、私は「2」について基本的には「肯定派」です(「基本的に」とした理由は最後に書きます)。

美味しんぼの「二代目の腕」というエピソードで、山岡は「二代目は先代を超える料理を出してこそ初めて『並んだ』と認められる」という趣旨のことを語るのですが、人気漫画の続編についてもこれと同じで、前作が面白すぎた分、つい過度な要求をしてしまうことがありがちなのではないでしょうか。なのでそれが無ければ、「2」も普通に楽しめる作品だと思うのですよね。

そして、以前にも何度か書いていますが、読んでいた電車の中で人目も憚らず涙が止まらなかった「2」の第一回の感動が今でも忘れられず、それだけでも自分的にはものすごく価値ある作品なのであります。

さて話しを戻すと、「2」が読者離れを起こした最大の原因は、やはり「画力の低下」だと思います。正直私は絵については全くの素人なのですが、その私が見ても「ちょっとこれは・・・」と思わせる部分が多々ありました。その方面に詳しい人によれば、画材を変えた影響もあるようですね。

次に「ギャグ成分の増加」です。中盤以降の「1」では、ギャグ的な要素と言えば石松と志那虎の絡み程度しかありませんでしたが、「2」ではそれが大幅に増えており、それを「シリアスさに欠ける」と捉えたファンも多かったみたいです。ただこれは路線的に「真剣にバカをやる」と意図的に変えているフシが見受けられるので、この点に関しては「好きずき」としか言えないような気もします。

そして「無理のある設定」。赤の他人である小菊が菊ちゃんとうり二つだったり、周囲が洗脳されていただけで河井は阿修羅一族の人間ではなかったりと、現代ならネットが炎上しそうな設定の矛盾がてんこ盛りでした。もちろん「1」にも設定の矛盾はありましたが、それを跳ね飛ばすだけのパワーがすごかったのだなぁとつくづく感じます。

さらに「キャラの魅力の半減」については、具体的に言ってしまうと主に志那虎で、あの渋かった「いぶし銀」が、「2」ではただの「ヤベー親父」になってしまっている感が強いのですね。また志那虎は最終的にかげ腹を切って自死するのですが、「志那虎は絶対にそんなことはしない!」とのコメントが数多く見受けられました。前作でのキャラが魅力的すぎたあまり、その豹変ぶりが容認できなかったファンが多かったようです。

また二代目ゼウスがチンピラ同然だったのも、先代ゼウスのファンの方にとっては悲しいものがあったかもしれません。最終的に二代目ゼウスは「雑兵に格下げ」になるのですが、言ってみれば「社長が平社員に格下げ」のようなもので、それはそれですごいなぁと・・・ギリシアの人事はよく分からないですw

加えて言うと、日本ジュニアの「完全勝利」の神話が、いかにもあっさりと途切れてしまったのも残念でした。また前作キャラの多くに子どもがいるのですが、そのパートナーが誰なのか、スコルピオン以外は分からないのですよね。このあたりは「二世もの」の醍醐味なので、できればもう少ししっかり描き込んでほしかったですねぇ。個人的な希望としては、ヘルガの奥さんはキャサリンであってほしかったですw

と、ここまで少し否定的なことを書いてましたが、逆に良かったのは、「1」では見られなかった「夢の対決」がいくつかあったこと。河井対ヘルガや、石松対ドン・ジュリアーノのロシアン・ルーレットなど、胸がときめくものも多かったです。

そして「1」で最大の謎の一つとされていた「なぜオンボロジムの会長がカイザーナックルを持っていたのか?」という問題が解決したのも、一部のファンにとってはポイントが高かったようでしたw

今回のアンケートでは「普通に面白かった」という声が予想以上に多く、先ほど書いたように、私もそれにはほぼ同意なのですが、個人的にどうしても納得できなかったのが、ラストのこれなのです。

「2」は結局麟童たちの物語だったのか、はたまた旧日本ジュニアの物語だったのかが、本当の最後の最後で分からなくなってしまったのが、自分としてはどうしてもモヤモヤ感が残ってしまいまして、実はこれこそが、私がこれまであまり「2」について書かなかった最大の原因だったのかもしれないと、今、改めて思ったのでした。

まあ、これらはあくまで私の個人的な感想なので、「2」を未読の方は一度お読みになってみてはいかがでしょうか?ということで、今回の締めとさせていただきますw

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