今回はちょっとマイナーなところで、あの世界チャンピオン・剣崎順が所属していたボクシングジム「コンコルドクラブ」について考察してみたいと思います。
まず基本的な情報として、正式名称は「コンコルドクラブ ケンザキジム」で、大村ジムの事情通(?)吉田さんによれば、「財界の大物がボクシングの熱狂的ファンのひとり息子のために作ってやった」ジムとのこと。

剣崎のことを「ボクシングの熱狂的ファン」と評しているのはなかなか笑えますね。ただそれはさておき、仮にも一大財閥の長ともあろうものが、いかに親バカとはいえ、採算も顧みずにボクシングジムを設立したりするだろうかと思うわけですが、現実世界はともかく、中学生の地区予選に3万人、十二神戦に至っては70万人超をも集客した「リンかけ世界線」におけるボクシングというコンテンツは、ビジネスとして魅力的に映ったのかもしれませんw

たしかに大企業がボクシングジムの経営に乗り出すことなどこれまで無かったわけで、実際、ケンザキジムは設立からわずか数年で、A級ライセンス6名をはじめ多数のプロ選手が在籍する日本有数のジムに成長したようです。関係無いですが、中学一年生にして大人を相手にこれだけ偉そうな態度を取れるのはさすが剣崎といったところでしょうか。

それと、これはあくまで推測ですが、「コンコルドクラブ ケンザキジム」という名称から、「コンコルドクラブ」とは剣崎財閥におけるアミューズメント事業全般を担当するセクションで、「ケンザキジム」はその中のボクシング部門という位置づけなのかなと思ったり・・・。と言っているそばから、日米決戦の前の剣崎登場の際には「コンコルド」の旗を持った「剣崎ボーイズ(?)」が颯爽と現れました。どう考えてもこの人たちはケンザキジムの練習生には見えないので、意外とこの推測は当たっているのかもしれませんw

さて、話しは少し飛びまして、コンコルドクラブの有名人と言えば、なんと言っても世界大会ドイツ戦で登場したこのキャサリンでしょう。コンコルドクラブ ケンザキジム ニューヨーク支部所属・・・先ほど大企業がボクシングジムの経営に乗り出したことは無かったと書きましたが、ましてや世界展開までとは!

これまでにも「コンコルドクラブ○○支部からの情報によれば・・・」的な描写はいくつかあったのですが、それらは改訂版では全て改変されていまして、実は改訂版で「コンコルドクラブ」という単語が台詞として登場したのは、意外なことにこれが初めてだったりします。
さらにコンコルドクラブは、独自の調査網で手に入れたという、ドイツのジュニアボクサーを対象として集めた機密ファイル「オデッサファイル」(さすがにヤバいと思ったのか改訂版ではシュバルツファイルに変更)までをも提供しました。うーむ、ドイツにも支部があるのでしょうか?いずれにせよコンコルドクラブ恐るべしです。

そして作中で最後に「コンコルドクラブ」の名前が登場したのがここ、剣崎の次期挑戦者発表の記者会見席上でした。ただ実際のタイトルマッチではコンコルドクラブの面々は試合会場に姿を見せず、剣崎のセコンドには総帥とキャサリンが。また大村ジム所属の竜児のセコンドにも志那虎、河井、石松と、ある意味掟破りでしたが、ここは超感動のシーンなので、野暮なことは言いっこなしです。

作中でコンコルドクラブが出てきたのは主に初期の頃なので、私も含め記憶がおぼろげだった方も多いと思いますが、こうして改めて振り返ってみると、なかなか奥が深かったですね。それにしてもあの「剣崎ボーイズ」の人たちは一体何者だったのか、いまだに謎なのでありますw

