子どもの頃、ちばあきお先生の「キャプテン」と「プレイボール」が大好きでして、私が高校で野球部に入ったのは、間違いなくこの漫画の影響が大でした。
で、当時からの「永遠の謎」だったのが、谷口や丸井など、他の登場人物の名前はみな普通に漢字なのに、なぜ「イガラシ」だけ片仮名なのだろう?ということ。 ネットの時代になり、ググってもAIに問いかけても納得のできる答えが得られないので、Twitterでみなさんに質問してみることにしました。

するとたくさんのリプをいただいたのですが、最も多かったのは「『五十嵐』だと読めない子どもが多いから」というもの。う~ん、たしかにそれもあるでしょうが、他にも百瀬(ももせ)などおそらく子どもには読めないであろう名前の選手が普通に漢字表記になっていますし、そもそもそれなら初出の際に「山田」など誰でも読める普通の名前を付ければ良かったのではないかと思うのですよね。

要は、なぜそこまでして「五十嵐」という名前に拘ったのかが、私の中では先の「永遠の謎」だったわけでして、やはり謎は解けないのかと諦めかけていたところに、一つの非常に有益なリプをいただきました。それはイガラシという名前は当時週刊少年マガジンの名物編集者だった五十嵐氏から取ったのではないかというものです。
この五十嵐氏、天才バカボンの担当編集者だったそうで、例の「MMR」にも登場していますw 兄のちばてつや先生との関係で、当然あきお先生とも親交があったものと思われ、 そしてさらに、なんと五十嵐氏の下の名前は「隆夫」なのでした。

ここまで来るともう偶然とは言えないでしょう。なぜキャプテンの登場人物の中で、イガラシと(谷口)タカオだけが不自然に片仮名だったのかがようやく分かったような気がします。
キャラに名前を付ける際に、懇意にしていた他社の編集者の名前を拝借したものの、「五十嵐」も「隆夫」も比較的よくあるものだけに、そのままでは気付いてもらえない。そこで特別な名前であることを読者と五十嵐氏本人にアピールするために、あえて片仮名を使うというあきお先生の茶目っ気、いたずら心だったのではないでしょうか。
ちなみにあとから気付いたのですが、スナミ先生、イガラシ、キバヤシ、マシリト等々みな片仮名ですね。「編集者の名前を使う時は片仮名」という業界の暗黙のルールでもあるのかしら?w 逆にこの法則を知っていれば、「イガラシとは編集者の名前ではないのか」ともっと早く分かったのかもしれませんが・・・。

まあ、いずれにしても、これらはあくまで推測に過ぎません。しかし自分としては納得できる理由付けができて非常に満足なのと同時に、SNSの威力に感服している次第です。最後になりましたが、改めましてリプ、情報をいただいた皆様、誠にありがとうございました。

