アポロエクササイザー

リングにかけろ1

中学時代の友人が、私がリングにかけろのブログをやっていることを知り、「今でもアポロエクササイザーを持っているけどネタに使うか?」と言って本体や説明書の写真を送ってきてくれたので、これを機に今回は当時の少年たちの憧れ・アポロエクササイザーについて書いてみようと思います。

リングにかけろでアポロエクササイザーが初めて登場したのは1977年の夏「竜虎ふたたび」においてでした。竜児とのスパーリングでパンチの軽さを指摘された剣崎が、それを克服するためにアメリカから購入したとのことです。

元来アポロエクササイザーは、月面着陸を目指した「アポロ計画」において、宇宙飛行士の健康維持とトレーニングを目的としてアメリカ航空宇宙局・NASAが開発したもので、重量による負荷を利用できない無重力状態において、小型ながらロープの摩擦によって十分なトレーニング効果が得られるこの機器は、アイソメトリックス(静的収縮)とアイソトニックス(動的収縮)を融合させた画期的なものとして受け入れられたようです。難しいことはともかく、まあ、このあたりはほぼ作中の解説の通りですね。

そして1970年代になると、フィットネス・アポロ・ジャパンという会社が日本国内の正規代理店として販売を開始します。アポロエクササイザーというと、少年ジャンプの巻末広告を思い浮かべますが、これもおそらくこの会社が絡んでいたのでしょうね。価格は定価が15,800円!貨幣価値を考えると、現在なら3~4万円程度と思われ、なかなか子どもには手が出せない代物でした。ただ下の広告だと定価よりも少し安くなってますね。しかも分割払いまで可能に・・・。

ともあれ私、なんとかアルバイトをしてこれを買ったのですよw 当時、高校生のアルバイトは、私の地域では時給320円程度が相場でしたが、郵便局の年末年始の年賀状配達が時給約500円と破格でして、冬休み中、雨の中風の中頑張って配達して、なんとかアポロエクササイザーを手に入れたのでした。

ただ、持っていた方ならお分かりになると思うのですが、これ、取り付け場所にすごく苦労するのです。一応説明書ではドアの上部の隙間に挟む方法なども紹介されているのですが、結構な負荷がかかるため、木のドアが破壊されて、親にこっぴどく怒られましたw そんなこんなで結局ほとんど使わないままお蔵入りになってしまいましたが、友人から送られてきた説明書を見ると、NASA監修だけにトレーニング理論としては秀逸ですし、実際、今でもこれでトレーニングしているというフォロワーさんも何人か見受けられます。

話しを戻すと、パワーリストもそうでしたが、作中で登場したグッズの広告が巻末に掲載されているって、今考えても非常に画期的な販売手法ですよね。例えばこの場合だと「どんな微力な男でも1ヶ月も辛抱すれば人並み以上のパンチ力がつく」など、こんなのを読んだら、絶対に欲しくなっちゃいますもんねぇ。

現代なら記事広告、ステマ広告を疑われかねないものだと思いますし、当時、ジャンプ編集部と販売業者との間でどんなやり取りがあったかは定かではありませんが、いずれにせよ、強さに憧れる少年たちにとっては本当に魅力的に映ったものでありました。

ちなみにアポロエクササイザーのパチモン(?)で「スペーストレーナー」というのもありました。見分け方としては、本体に「APOLLO」と書いてあるのがアポロエクササイザー、「NASA」と書いてあるのがスペーストレーナーです。

スペーストレーナーの販売元は二光通販(現二光)。う~ん、二光通販と言えばエレキギターでギブソンのパチモン(?)の「トムソン」があまりに有名ですが、こんなところでもパチモンを(汗)ただ値段も多少安かったようですし、気付かずにこちらを買った方も多かったのではないでしょうか。

で、これは結構有名な話しですが、このアポロエクササイザー、商標権の問題か、改訂版では「ギャラクシアンエクササイザー」という名前に変更になっています。ついでに「剣崎自身が考案した」ことに・・・。改訂版ではパワーリスト(ドラゴンリスト)も菊ちゃんが考案したことになっていますし、この夫婦はボクシングだけでなく「発明」においても天才的ですねw

最後になりますが、このアポロエクササイザーは、現在でもメルカリなどに結構な数が出品されており、基本1万円前後と、それなりの高値で取引されています。やはり当時買えなかったものをなんとか手に入れたいという需要が多いため、価格をつり上げているのでしょうか。そしてほぼ全ての出品に「リングにかけろで登場した」というキャッチコピーが付いていることから、あれから50年近く経った今でも、アポロエクササイザーとリンかけは切っても切れない関係なのだなあと、改めて痛感する次第です。

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