リングにかけろをリアルタイムで読んでいた頃、どうしても謎の部分がありました。
それは、全米ハイスクールチャンピオンの肩書きを持つブラック・シャフトが来日した際、空港で記者団から来日の目的を聞かれ、「ニューヨークで剣崎を抹殺したように、チャンピオンカーニバルの優勝者をボクシング界から消すため」と答えるシーンです。
一瞬「ええ~~!?剣崎が抹殺された?」「シャフトってそんなに強いの?」と思ったものの、よく考えると、色々おかしな点が出てくるのですね。
たしかに剣崎は、竜児との対戦で負傷した左腕を手術するためニューヨークに滞在しており、そこでシャフトと会ってはいますが、対戦した様子など全くありませんし、シャフト自身「これから乗り込む国の人間にケガさせて面倒を起こしたくない」と言っています。
また剣崎は、チャンピオンカーニバルの終わりにシャフトが5対5で日米決戦をやろうと提案した際に、「日本チームの5人目は俺だ」と何事も無かったかのように登場しているのですよ。これ、どこから「抹殺」が出てきたのだろうと、当時は本当に疑問でした。
で、結論としては、やはり抹殺は無かったようでしてw 「リングにかけろ1」(改訂版)では空港での記者団とのシーンがバッサリ削られています。
まあ、「黒いジャガー」という呼び方が、今日では差別的との捉え方をされますし、また来日の目的を、シャフトは「チャンピオンカーニバルの優勝者をボクシング界から消すこと」マネージャーは「日本選手の偵察」と言っているなど、何かと問題の多いコマではあるので、たしかに無い方が良いのかもしれません。
ちなみに私、改訂版でこのシーンが削られていたことに、しばらくの間、気づきませんでした。新たに描き加えたり、修正したりした部分は割とすぐに気づくのですが、バッサリ削られてしまうとなかなか気づきにくいのでした。
賛否両論ある改訂版ですが、近いうちに少しまとめて考察してみたいと思います。