スポーツ漫画におけるスパルタ親父と言えば、私たちの世代ではまず星一徹の顔が浮かぶのではないかと思います。
星一徹と言えば、「ちゃぶ台返し」と「大リーグボール養成ギプス」があまりにも有名ですが、私的には彼のキチッぷりが最も出ているのは「火の玉ノック」ではないかと考えています。
花形満の「ノックアウト打法」を破るため、「触れたら大けがをするのはノックアウト打法も火のついたボールも同じ」というとんでもない理論で、ボールにガソリンをかけて点火させ、それを飛雄馬に向けてノックするというやつですね。
一応突っ込みを入れると、ノックと称しつつも飛雄馬はこの時グラブを付けていないので、「これじゃ火がついてなくても大けがするんじゃね?」などと思ったりするわけですが、それはさておき、何よりすごいのはこれを住宅街でやっているということです。もう、ご近所さんはたまったもんじゃありません。通報されたら間違いなく逮捕されるレベルでしょう。まさに星一徹恐るべし。
実際、このシーンのニコ動では「キチ○イ」というコメントが山のように流れていましたw
前置きが長くなりましたが、ことキチッぷりにおいては、この星一徹に勝るとも劣らないのが、今回紹介する志那虎の親父です。
志那虎陰流の跡取りとして「根性無し」の烙印を押された志那虎は、根性を付けるためと称し、羽の代わりに真剣を取り付けた改良扇風機、通称「キチ○イ扇風機」の向こうにある玉を取るように命じられます。
最初は躊躇していた志那虎でしたが、意を決して右腕を突っ込むと・・・案の定、刃は腕に刺さり、以来、志那虎の右腕は利かなくなってしまいました。
まあ、こんなものを作る時点で、十分頭がイカれてますが、さらにひどいのはこの後です。「ふんっ、未熟者めが」などと言うのならまだ男前ですが、泣き叫ぶ志那虎を見て、こともあろうに「一城!一城~!!」とうろたえているのですよ。オッサン、こうなるって分からんかったんか~い!?アホです!ドアホウです!!
その後、右腕が利かなくなった志那虎は猛特訓を続け、左腕一本で不良を瞬殺できるほどに強くなります。特訓の描写を見ていると、とても根性無しと揶揄された人間と同一人物とは思えません。やはり、あの扇風機で何かが吹っ切れたのでしょうか?
さらには、以前より高速で回転する扇風機で、3回玉を取って戻すこともできるようになり、それが彼の必殺技ローリングサンダーの誕生に繋がったのは周知の通りです。
で、このキチ○イ扇風機、原作ではこの回だけしか出てこないのですが、こんな面白アイテムが一回限りの登場ではもったいないと考えたのは私だけではないようでして・・・。
アニメ版の日米決戦編で志那虎と対決することになったアメリカチームのミックは、志那虎の親父と妹を人質に取って試合を有利に運ぼうと、配下の暴走族を京都に差し向けます。
おや?こんな展開、原作には無かったぞ?と思いながら観ていると、さすがに強いぞ志那虎の親父!暴走族を一網打尽にすると、全員を正座させ、門下生に持ってこさせたのが・・・
キチ○イ扇風機キタ~~!!
これがやりたいがために、わざわざ新しいストーリーを追加したんだね。分かる!分かるぞ、その気持ち!脚本書いた人グッジョブです!!
「せっかく日本まで来たのだから、お主たちに志那虎陰流の極意を体験してもらおう」
「ボクはそういう危ないのはちょっとダメなんです・・・」
「じ、自分もママから刃物の扱いには気をつけろと言われてます」
震え上がる暴走族たち。キチ○イ扇風機ファン(いるのか?)にはたまらない展開でした。
そしてさらに、このアニメのDVDには初回限定特典として、なんとキチ○イ扇風機の模型がオマケに付いてきたのです。このノリ、最高です。どうせこんなDVDはよっぽどのマニアしか買わないのだからと、好き放題やっている感がものすごく良いです。
私は不覚にもこのオマケの存在を最近まで知らなかったので、残念ながら買いそびれてしまいました。メルカリ等で検索してみましたが見つかりません。まあ絶対数が限りなく少ないでしょうから仕方ないですね。もしお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報をお願いします。