夜叉八将軍

風魔の小次郎

車田作品には、「めちゃくちゃ強いのかと思ったけど、実は意外とたいしたことないかも?」というパターンがいくつか見受けられます(「たいしたことない感」と命名w)。

例えばリングにかけろのギリシャ十二神は、「世界大会で日本ジュニアをさんざん苦しめたアポロンたちが、十二神に比べれば二軍クラス」という触れ込みだったので、「一体どれだけ強いんだよ!?」とドキドキしながら読んでいたのですが、カサンドラ、クレウサが立て続けにやられたあたりで、「あれ?意外とたいしたことないんじゃね?」と考えてしまうわけです。

ただ普通それは、話が進むにつれて次第に分かってくるものなのですが、最初からこの「たいしたことない感」を思い切り漂わせていたのが、風魔の小次郎に登場する夜叉八将軍です。

無意味にセクシーな服を着たお姉さんが、何だかよく分からない「赤星の矢」を射って集結した夜叉八将軍ですが、車田作品には「デカい=弱い」という鉄則があるので、もうこの人が登場した時点で「ああ、こいつらたいしたことないわ」と思ってしまいました。

さらに不知火なる八将軍の一人が戦うことすら無く葬り去られ、序盤にして「たいしたことない感」はピークに・・・。

実際、多少はまともだったのが紫炎と闇鬼くらいで、残りの6人は話にならないくらいの弱さでした。そもそも、顔からして全く強そうな気がしません。さらに例のデカい黒獅子など、小次郎から「ネズミ」扱いされる始末。数ある車田作品の中でも、一、二を争うヘタレ軍団と言えるのではないでしょうか。

で、個人的な感想としては壬生功介をもう少しうまく使えなかったのかなと。

飛鳥武蔵と並んで最強の戦士と称されているようですし、彼を八将軍のリーダーに据えれば、多少なりとも八将軍を強そうに見せられたのではと思います。そもそもなぜ壬生功介が八将軍に入っていないのかという疑問が残りますが、結局、夜叉八将軍や誠士館は、(いかにも後付けぽいけれど)「華悪崇の先兵」という設定にされてしまったので、まあ、どうでもいいのかなという気がしないでもありませんw

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