竜童と小菊

リングにかけろ2

リングにかけろの連載終了から十数年ぶりの続編となった「リングにかけろ2」。当初はオールドファンが当時を懐かしみ、結構な人気を博していましたが、画力の低下やアバウトな設定などが指摘されることも多く、「最初の方しか読んでいない」という方もかなり多いようです。

基本的な流れについてはウィキペディアなどにも解説があるので、こちらをご覧いただければと思いますが、今回は「これを知っているとリングにかけろ(1)をもっと楽しめるかも」というポイントをいくつか選んでみました。

まずは竜童と小菊という、竜児と菊ちゃんにそっくりな姉弟。

最初、竜童は竜児の息子だと言われており、私も「竜児はいつの間に子どもを作ったんだ?相手は誰?」などと考えたものですが、実は剣崎と菊ちゃんの子で、麟童とは二卵性双生児だということが明らかになります。

正直、「竜童は竜児の子ども」という超重要な設定が、いとも簡単に覆されてしまうあたりが、「リンかけ2はストーリーがめちゃくちゃ」と言われる所以だったりするわけですが、まあ、それはさておき、次に進みます。

で、剣崎家では「双子は忌むべき存在」とされているため、執事が竜童を大村ジムの会長に預けたのですが、この時、執事は「ボクシングからできるだけ遠ざけて育てたかった」と語っています。にもかかわらず、おそらくボクシングに一番近い場所であろうボクシングジムに預けるとはどういう了見なのしょう?もう意味が分かりませんw

さらに竜童一人では不憫だということで、自分の孫娘もオマケに付けて差し出したとのこと。この時点でもう頭が完全にイカれてるとしか思えませんが、ともあれ、小菊が菊ちゃんにそっくりなのは「ただの偶然」なのでした。もう、なんだかなあという感じです。

そして次は大村会長のお話。初代リングにかけろの連載当時から「おんぼろボクシングジムの会長がなぜ伝説のカイザーナックルを持っているんだ?」というのは永遠の謎だったわけですが、それがようやく氷解することになります。

戦前、若かりし日の大村会長は拳闘を極めようと武者修行をしており、その最中に初代影道総帥に闘いを挑みます。この時、総帥は制極界を張っており、結果大村会長は近づくことすら出来ませんでしたが、総帥から「影道は所詮は裏の拳闘。ギリシャに行って光の道を歩め」と諭され、戦後ギリシャに渡り、先々々代ゼウスと拳を交わして、一方のカイザーナックルを手に入れたのでした。

話は少しそれますが、剣崎がハーデスにマグナムを繰り出して跳ね返された際に、総帥がすぐに制極界だと気付いたのは、こういう経緯があったからなのですね。

またリンかけ2では、アポロンの息子(サン)が「実力では勝っているのになぜアポロン家は十二神になれないのか?」と不満を漏らしていたことから、十二神は「世襲制」だったことも分かりました。

ただその割には、メデゥーサが十二神から外れ、代わりにヘルメスが昇格していたりするので、メデゥーサは何か大チョンボでもやったのかと、人ごとながら不安になってしまいますw

で、最後はとてもラスボスとは思えないチンピラのような次世代ゼウスが、麟童に瞬殺されるわけですが、これを機に、さすがに世襲制はまずいだろうということで、アポロンが新しいリーダーとなり、ゼウスは雑兵に格下げになったようです。

またギリシャでの闘いでは「阿修羅の怨念」も登場。阿修羅はマインドコントロールで人々の心を操っているだけで、草の末裔などはとうの昔に滅びており、河井も阿修羅一族では無く正真正銘河井家の人間など、結構物語の核心に迫るようなことをサラッと片付けているところが、なかなかすごいですね。

ご覧いただいたように、かなりハチャメチャなエピソードが多いリンかけ2ですが、まだまだたくさんあるので、今後、順次紹介していきたいと思います。

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