影道編

リングにかけろ1

以前、チャンピオンカーニバルがリングにかけろにおける一つの転機だったと書きましたが、日米決戦編を経て、その後の車田作品に見られる様式がほぼ確立したのが今回紹介する影道編ではないでしょうか。

一口に影道編と言っても、大きく2つのパートに分かれていまして、前半が影道の塔での竜児と影道ボクサーとの対決、後半が万博会場跡での日本ジュニアとの5対5決戦となります。

前半部分の大きな特徴は、初めてのリング外での闘いだということ。例えば日米決戦などは、相手はまともなボクサーではなかったものの、一応グラブを付けてリング上で闘っていました。それがこの影道の塔は、リング以外の場所で、グラブも付けず、しかも一対一でない場合すらあるというwまさに「正統派ボクシング漫画からの逸脱」とも言えるパートだったと思います。

ちなみにあのカイザーナックルの初登場もこの影道編でした(リアルタイムで読んでいた時は、なんで大村のとっちゃんがそんな大層なモノを持っているのか非常に謎でしたが、それはリングにかけろ2で明らかになりました)。

で、後半部分はと言えば、なんと言っても

これですよ!

どんな技なのか何の説明も無く、ただ見開き一杯に技名を叫ぶという、この後のリングにかけろや、風魔の小次郎。聖闘士星矢へと続く車田作品のお家芸。これまではブーメランフックにせよローリングサンダーにせよ、一応どんなパンチなのかという解説があったわけですが、ここで初めて「何の説明も無いフィニッシュブロー」である影道雷神拳が登場したのです。地味な印象のある影道編ですが、これはものすごく大きなことだったと個人的には考えています。

さらに、河井のジェットアッパー、石松のハリケーンボルトと、剣崎を除く全てのメインキャラにフィニッシュブローが出来たのもポイント。

さらにさらにw「リンかけ史上最大の飛距離」と言われる太陽の塔まで吹っ飛ばされた総帥など、何気に見所が満載です。

この後の世界大会編、十二神編でリングにかけろの人気は絶頂を迎えるわけですが、その導火線としての影道編、ぜひ再読をお勧めします。

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