影道総帥(その1)

リングにかけろ1

リングにかけろの主要登場人物で、「誰が一番人間が出来ているか?」と質問すれば、おそらく多くの人が「影道総帥」と答えるのではないでしょうか。

ご存知のように総帥は剣崎順とは一卵性双生児なのですが、俺様キャラの剣崎とは異なりかなり謙虚な性格。人間やっぱり「氏より育ち」なんですかね。それにしても、リングにかけろ2の麟童と竜童もそうでしたが、剣崎家は双子が生まれやすい家系なのかもしれません(ちなみに麟童と竜童は二卵性)。

で、「後継者は二人も必要ない」との因習から剣崎家を出され、先代影道総帥の下で育てられるわけですが、ここで少し影道と剣崎家の関係について触れておきたいと思います。

まずは「そもそも影道とは何か?」ですが、大正末期、ボクシングという未知の格闘技に魅せられた初代影道は人間凶器と化し、日本拳闘倶楽部の四天王を血の海に沈めます。しかし相手を死にまでも追いやる影道のボクシングは邪道とされ、表舞台から消え去りましたが、その強さに憧れる者も現れ、影道の拳術は闇から闇へと受け継がれていったのでした。

そして剣崎家とは、ネネが剣崎邸に自由に出入りしていたり、また影道の面々が剣崎に敬語を使っていたりと、親密な関係が見て取れます。さらに大村会長も万博跡での決戦の際に、何十年も闇に埋もれていた影道がマスコミを動かせるのは不自然。バックに財閥のようなものが付いているのではと、剣崎家との関係を示唆していました。

これは推測になりますが、影道は剣崎財閥がのし上がるための、邪魔者の排除等の役割を担っていたのではないでしょうか。そして剣崎財閥はその見返りに資金援助などを行っていたと。さらに総帥を里子に出したのも、両者の関係を強固にするためと、穿った見方をすれば秘密の漏洩を防ぐためとも考えられます。まあ剣崎財閥自体がかなり謎のベールに包まれた存在なので詳しいことは分かりませんが・・・。

さて、かなり遠回りをしましたが、話を総帥に戻すと、初登場のシーンがこれ。万博跡での日本ジュニアとの対戦の時です。一卵性双生児なので顔が剣崎と同じなのは当然なのですが、髪型も違うし顔に傷もあるので、いくら何でも剣崎と間違えることはないだろうと思ったのは私だけでしょうか?w

ちなみに忘れられがちなのですが、この試合は勝った方が世界大会の日本代表になるという結構無茶なものでして、そんなことが堂々とまかり通っているのも、やはり剣崎財閥の後ろ盾があってのことなのでしょう。

まあ、それはともかく、竜児との対戦で総帥は今回初めて登場したスペシャルローリングサンダーとジェットアッパーを造作なく模倣して見せます。あの頃はミックやらホワイティやら、口だけのザコwがやたらと多かったので、久々に登場した「本物」という感じですね。剣崎曰く「あんなパンチ、一度見れば誰だって打てる」とのことですが・・・。

そしてその後、「マネでない自身のパンチ」として影道雷神拳を披露。以前にも書きましたが、この雷神拳はおそらく、今後のリングにかけろのスタンダートとなる「どんなパンチなのか何の説明も無く見開き一杯にパンチ名を叫ぶ」というスタイルの最初だと思われます。

さらに竜児の新パンチ(後にスクエアーと判明)によって、これも「リングにかけろ史上最高の飛距離」である太陽の塔まで飛ばされ、敗北を喫するわけですが、潔く負けを認め、新パンチの素晴らしさを讃えて去って行きます。

このあたりが冒頭に書いた「人間が出来ている」ということで、この後もたくさんこのようなシーンが出てくるのですが、全てを書くと相当長くなってしまいそうなので、とりあえず次回に続きます。

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