リングにかけろが爆発的な人気を博したのは、中盤以降の5対5バトルや、必殺パンチの応酬によるところがもちろん大きいのですが、それに負けず劣らず物語序盤のパワーリストの果たした功績もかなりのものがあると思いますので、今回はそれについて掘り下げてみようと思います。
高嶺姉弟が大村ジムに引き取られて少し経った、おそらく竜児が小学校6年生になるかならないかの頃、菊ちゃんは竜児にリストバンドのようなものを渡します。これがパワーリスト初登場のシーンでした。菊ちゃん曰く、バンドの中に鉛の板が入っており、市販のものは片腕200gくらいだが特注で重く作ってもらったとのこと(後に片腕400gとの表記あり)。

ちなみに改訂版では、登録商標の絡みか、名称は「ドラゴンリスト」に変更され、併せて「菊ちゃんが考案した」に改変されていますが、このブログでは「パワーリスト」で統一したいと思います。

それから一年、月島五中ボクシング部の入部テストで先輩たちのリンチ(?)に遭った竜児はパワーリストを剥ぎ取られてしまいますが、腕がまるで自分のものでないように軽く感じ、先輩たち数十人を瞬殺します。私もそうだったのですが、みんなおそらくこれが「パワーリストすげぇ!オレも欲しい!」と思った瞬間だったのではないでしょうか?

少年はみな強いものに憧れます。不良たちを汗一つ流さずバッタバッタとなぎ倒す姿・・・私は当時野球部だったため「これを着ければ野球のトレーニングになるかも」などと考えたりもしましたが、今になって思うとそれは自分に対する言い訳にすぎず、結局は私も単純に強くなりたかっただけなのだなぁとw
さて、猛烈にパワーリストが欲しくなり、いざ買おうと思ったものの、一体どこで買えばいいのか?そこはジャンプの巻末に載っているおなじみの「日武会」をはじめとした怪しい通販ですw 漫画で読んで欲しいと思った商品が、巻末の広告に載っている・・・今考えるとものすごく画期的な手法ですよね。ただ現代だと、記事広告に該当するなどと公取あたりがうるさいかもしれませんが。

この頃の通販は、切手で買えたのも少年たちにとっては大きなポイント。郵便局で約2,000円分の切手を買って、早速注文しましたとも。ただ、届いたものは平べったい鉛の板を合成皮革でくるんだゴツい代物でして、とても作中にあるような「ただのサポーター」ではありませんでした。しかも実際に装着すると、鉛板が手首に食い込んで、痛くてとても長時間着けてはいられません。しょうもない買い物をしてしまったと後悔したものでした。
しかし、その後作中で、今度は鉛のスティックを挿すタイプにパワーリストがパワーアップ。「おおっ!これなら痛くないかも!」と思ったところ、日武会では早速そのタイプを新発売していました。日武会まさに恐るべしですw で、懲りずにもう一度買ってしまったのですが、実際このタイプは装着しても痛くなりませんでした。

ということで、ようやく私のパワーリストでの鍛錬が始まりました。常に装着していないとトレーニングにならないので、当然学校にも着けていきます。たださすがに恥ずかしため、学生服の下に隠していくわけですが、問題は体育の授業の着替えの時。みんなの目を盗んで着替えようとキョロキョロしていると、他にも同じような人がいるじゃありませんか。よく見ると、彼もパワーリストを着けていましたw
ちなみにパワーリストの効果ですが、しばらく着けていてから外すと、腕が本当に軽いです。まさに竜児の「自分の腕じゃないみたいだ」という感覚が味わえますね。ただあくまで感覚だけで、実際にパワーやスピードが付いたかと言われるとかなり疑問ですが・・・。

Twitterなどでパワーリストについて呟くと、「私も買いました」「私も持ってました」等のリプを、ものすごい数いただきます。あくまで感覚的にですが、リンかけのコミックスを全巻持っているレベルのファンだと、パワーリストの所有率は20%を越えているのではないでしょうか。日武会は「パワーリスト御殿」が建ったのではないかと思ってしまうほどですね。
さて、一応今回はこれまでですが、パワーリストと来れば、次は当然アポロエクササイザー!ただこれもまた長くなりそうなので、アポロについてはまた別の機会に買いたいと思います。
