アニメ版考察

リングにかけろ1

Twitterでリングにかけろ1のアニメについてツイートしたところ、「観たことがない」「アニメ版の存在自体を知らなかった」というリプが意外に多かったので、今回はアニメ版について簡単にまとめてみたいと思います。多少のネタバレを含みますのでご了承ください。

初回の放映は2004年で、「都大会決勝~チャンピオンカーニバル編」(全12話)「日米決戦編」(全12話)「影道編」(全6話)「世界大会編」(全6話)の4部構成となっています。

冒頭で、原作終盤の竜児と剣崎のタイトルマッチおよび二人を教会で待つウエディングドレス姿の菊ちゃんが描かれているため、制作サイドとしては原作全てをアニメ化する予定だったものと思われますが、残念ながら十二神戦編以降は手つかずになっています。また都大会決勝以前は「回想」という形で超簡略化されてます。

さて内容についてですが、影道編と世界大会編は、尺の関係もあってかほぼ原作通りですが、 チャンピオンカーニバル編と日米決戦編については、アニメオリジナルのストーリーもかなり盛り込まれていますので、その主立った部分を紹介していきたいと思います。

まずはチャンピオンカーニバル編。原作では関西チャンピオンの志那虎が、都内の中学に転校して都大会で竜児と対戦したものの、一発のパンチも繰り出さずに敗れるという下りがあり、その理由は謎のままだったのですが、それがこのアニメ版で解き明かされます。志那虎は、竜児が真剣に闘う姿を見て、「遊び半分でボクシングをやっている自分が闘うのはおこがましいと思った」そうなのでした。

このようにアニメ版では、原作で謎だったことや矛盾点を解決するような部分がいくつか見受けられます。あくまで推測ですが、原作をリアルタイムで読んでいた人たちが、「自分ならこう考える」という思いを込めたのかなと。このあたりは「宇宙戦艦ヤマト2199」などと共通するものがあるような気がします。

話を戻すと、このチャンピオンカーニバル編ではプロレスラーの永田裕志が実名で登場し、必殺技「永田ロック」を披露します。声も本人が当てていて、車田御大と親交があることからの友情出演のようですが、あまりに唐突に出てきたのでちょっとびっくりしましたw

また、スコルピオンやヘルガ、ナポレオン、ブラックシャフトなどもこの段階から登場。スコルピオンとナポレオンの密談(?)など、なかなか興味深かったですね。

次に日米決戦編。原作との相違というか、オリジナルストーリーの追加が最も多いのがこのパートです。

例えば河井対ミズ・シャネル。原作では河井が自ら足を傷つけることで催眠から逃れシャネルを倒しますが、アニメ版ではそれだけでは催眠は解けず、その後も悪戦苦闘することになります。

さらに、最大の見せ場は志那虎対ミック。原作では志那虎がミックを瞬殺し、「つええ」の名言(?)を残して勝負はあっけなく付きましたが、アニメ版では京都の志那虎パパと二葉ちゃんがミック配下の暴走族に人質に取られて志那虎が苦戦するという独自の展開でした。

そして、そこで登場したのが例の改良扇風機、通称「キチ○イ扇風機」です。まさにこれを出したいがためにこのストーリーを追加したといっても過言ではないでしょうw 暴走族を一蹴した志那虎パパは、「せっかく日本まで来たのだから、お主たちに志那虎陰流の極意を体験してもらおう」と扇風機の向こうにある玉を取らせようとしますが、暴走族は震え上がって言い逃れをするばかり。とても笑えるお話でした。

ちなみにアニメ版の第1話の放映開始時にはすでにリングにかけろ2が連載中だったので、2のネタを逆にアニメ版で使っている部分もあります。例えばホワイティを瞬殺した剣崎に、ホワイティの取り巻きの女性たちが群がって、剣崎が「敵国の女さえ振り向かせる。これが本当のスーパースターってやつよ」と言う場面があるのですが、これなどは完全に下記のシーンのオマージュ(?)ですね。

あと、主題歌がなかなか良くて、「リングにか~けろ♪」というフレーズが妙に耳にこびりつきますwこの当時にはすでに「曲を聴いただけではアニメの主題歌だとは分からない」ものが主流になっていただけに、このようなタイトル連呼型はむしろ逆に新鮮に感じられたものでした。

と、まあ、語り出せばキリが無いので、ぜひ一度ご自分でご覧になってみてください。サブスクだとdアニメやU-NEXTで観ることができます。

タイトルとURLをコピーしました