日米決戦

リングにかけろ1

おかげさまで本ブログは開設一周年を迎えることができました。

始めた当初は、いかに当時人気があった作品とはいえ、「令和のこの世にリングにかけろのブログをどれだけの人が読んでくれるのだろう?」「すぐにネタ切れしてしまうのではないか?」など不安材料も多かったのですが、予想以上に多くの方にご覧いただき、何とかここまで続けてくることができました。

今後ものんびりとではありますが更新していくつもりですので、たまに覗いてやっていただければ幸いです。

ということで、今回のお題は「日米決戦」。リングにかけろが大ヒット作へと大化けするきっかけともなったパートです。

チャンピオンカーニバル表彰式の場に突如ヘリで乗り付けたブラック・シャフトは、まるで思いつきのように「日米決戦をやろう!」と提案。その目的は「日本が世界大会に出るまでもないことを教えてやる」ためだそうですが、まあ普通に考えれば、真の狙いは世界大会でのアメリカの優勝を盤石なものにするために、日本の有力選手を早めに潰しておくことでしょう。

最初シャフトは「日本は剣崎さえマークしておけば十分」と思っていたようですが、竜児のブーメランフックの存在を知り、「日本とはなんとおそろしい国だ」と考えを改めている描写があるので、そこで急遽日本潰しを画策したものと推測されます。ただシャフトは「ニューヨークで剣崎を抹殺した」など、たまにワケの分からないことを口走ることがあるため、どこまでが真意なのか理解しがたい部分もありますがw

ちなみに会場は日本武道館。一万二千人の収容人数に対し十万人以上の観客が詰めかけたそうですが、非公式のジュニアボクシングの試合に武道館を使うというのも、やはり剣崎コンツェルンの後ろ盾があったのでしょうかね?

それはさておき、この日米決戦のポイントは、まず「普通のボクシング」との決別を宣言したこと。死刑囚や暴走族のリーダーなどとの対戦は、リングにかけろがこれまでの下町人情熱血ボクシング漫画とは別の道へ歩み出すことを強くアピールしました。

そして、それ以上に大きいのが、「5on5」という対決の様式を確立させた功績だと思います。これはこの後のリングにかけろはもちろん、その他の車田作品、ひいては漫画・アニメ界全体に影響を及ぼしたと言っても過言ではないほど、非常に重大な出来事だったのではないでしょうか。

しかも通常の「5on5」だと先に3勝した側の勝利となるため、その後が消化試合になってしまう可能性があるわけですが、そこに「完全勝利」という要素を取り入れることによってそれを防いでいるのがなんとも秀逸でした。いずれにせよ、ここでリングにかけろの今後の方向性が決まった感があります。

さて、話を個々の対戦に進めると、第1戦が石松対モンスター・ジェイル。45キロ対200キロ超の対決です。一応チャンピオンカーニバルもそうだったのですが、ここでさらにハッキリと今後は「階級無差別」であることをアピールしています。

石松はモンスター・ジェイルの巨体を利した攻撃に翻弄されながらも、最後、「自らを爆弾と化して」特攻し、勝利を手にするわけですが、この両腕をまっすぐに伸ばし土手っ腹に突撃するシーンなど、先にも書きましたが、とても普通のボクシングとは思えません。

次の2戦目は謎の美女・ミズ・シャネルの催眠術により、河井が窮地に立たされますが、志那虎の備前長船を借り、自らの足を傷つけて激痛により催眠から逃れます。まあこの「激痛による催眠逃れ」はかなり昔からあるパターンですが、河井の場合、「なにもそこまで思い切り突き刺さなくても・・・」と心配してしまうほどでした。

結局、シャネルは河井のアッパーを食らって破れ、カツラが取れてオカマだとバレたわけですが、不思議なのは、なぜか河井だけは早い時点でシャネルが男だということに気付いているのですね。どうして分かったのかは描写が無いので未だに不明でして、リングにかけろ永遠の謎の一つですw

第3戦の志那虎対ミック、第4戦の剣崎対ホワイティは共に日本側の瞬殺で勝利。これについては別の項で書いていますので省略して、最終戦が竜児対シャフトの大将決戦です。

シャフトもブーメランフックと同じコークスクリューである「ブラックスクリュー」なるフィニッシュブローを有しており、最後はブーメランフックとブラックスクリューの大激突。この「必殺技対必殺技」という構図は、男子の心を激しく揺さぶりますね。リングにかけろが絶大な人気を誇った理由の一つがこれだと思います。

結果、左拳の方が右拳より相手に近いところにあるので、左フックであるブーメランフックの方が一瞬早かったという、かすかに正統派ボクシングの名残を感じさせる理由で竜児が勝利。日本ジュニアの完全勝利で日米決戦は幕を閉じました。

最後、シャフトは竜児の勝利を讃え、「世界大会で会おう」と言い残して去って行きますが、残念ながら世界大会はイタリアの策謀により交通事故で棄権となってしまいました。ただ、現実に竜児と互角の勝負をしたあたり、シャフトの実力もかなりのものだと思うので、できれば世界連合ジュニアに参加してほしかったと思ったのは私だけでしょうか。

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