世界大会決勝のギリシャ戦で全員死亡したと思われた日本ジュニアですが、アポロンは瀕死の重傷だった彼らに治療を施し、神の血(イーコール)の守護で彼らを仮死状態にしていました。
しかし、いつまでも仮死状態にしておくわけにはいかないと考えたギリシャチームの一員オルフェウスは、かげ腹を切ってたて琴を弾き続け、日本ジュニアを眠りから覚まします。
ギリシャ人がかげ腹・・・という突っ込みはともかく、当時このシーンには私も結構感動したのですが、後になって、なぜ自分は普通に「かげ腹」という言葉の意味を知っていたんだろう?という疑問がわいてきました。それほどメジャーな単語ではありませんし、歴史の授業で習った記憶もありません。
で、よくよく考えると、「そうだ!アストロ球団だ!!」と。リングにかけろと同じく週刊少年ジャンプで連載していたアストロ球団の対ビクトリー戦で、伊集院大門がかげ腹を切って試合に臨んでいたという下りがありまして、それでかげ腹の意味を知っていたから、オルフェウスの件もすんなり読めたのだと気づいたのでした。
ちなみにアストロ球団での説明によると、かげ腹とは、主君の意向が絶対だった時代に、切腹してサラシを巻き、意識が朦朧とする中で「殿!それは違います!」と進言する行為とのこと。実はこれ自体、史実とは異なるようなのですが、少なくともジャンプ読者の中では「かげ腹とはこういうもの」という共通認識があったと思いますし、また車田先生自身もそう思い込んでいたからこそ、今回のシーンで敢えて「かげ腹とは何か」という説明を入れなかったのだと考えます。ううむ、漫画文化、いやジャンプ文化恐るべしです。
リングにかけろがアストロ球団の影響を強く受けているというのは誰もが認めるところでして、またアストロ球団については語り出すとそれだけで専門のブログが作れてしまうくらいとんでもない作品なので、今回はこれくらいにしたいと思いますが、BS漫画夜話でめちゃくちゃ面白い解説がありますので、ぜひこちらもご覧になってください。