一応このようなブログを運営する身として、くだんの横領事件について完全に素通りというわけにもいかないとは思いつつ、事件の詳細等に関してはまだ不明瞭なことも多いので、今回は主に作品に関連する部分について私見を述べさせていただきたいと思います。
リングにかけろ2(以下「2」)のフランス編で「一度信じた相手なら最後まで信じ通せ」というセリフがあるのですが、このような信念を持つ車田先生だけに、今回の事件は本当にショックだったろうと、心中お察しいたします。ただ一方で、この時期は例の元マネージャー(以下「元マネ」)が「2」の担当編集を務めていたはずなので、それを考えるとこのシーンはなかなか意味深ですね。

また先生は記者会見の中で「私利私欲のために信じていた者を平気で裏切る人間がいる」と、やるせなさを訴えていましたが、20代の頃に作中で「世の中、殺したくなるようなイヤな奴もいる」と描いてはいたものの、純粋な先生のこと、世の中にはとんでもなく悪い奴がいるのを自身が実感したのはおそらく今回が初めてだったのでしょう。

そして、もし弁済されたら「本当に困っている人のために使いたい」とも。ううん、さすがですね。失意と怒りの記者会見で、なかなか言えるセリフではないと思います。やっぱり人間のスケールがでかいです。これを聞いた時、思わずリングにかけろJCコミックス17巻の表紙カバーに書かれていた「カツ丼を死ぬほど食いたい人がいたらオレに言ってくれ」を思い出してしまいました。

さらに一番うれしかったのは「車田漫画を愛してくれる人のために、今後も執筆を続けていきたい」とのお言葉です。
正直、「2」や男坂の続編など、最近の作品の評価は一般的にもあまり芳しいものではありませんでした。私自身、「2」は「リングにかけろの続編だと思わなければそれなりに面白い」という位置づけでしたし、男坂も数十年の時を経て完結したこと自体は意義があるとは考えるものの、パワーダウン感は否めず、今後の作品に期待するかと言われれば、率直に言って少々疑問だったのです。

しかし今回の件で、「2」の途中から元マネが担当編集になったと知り、それだと「2」が面白くなくなったのは元マネのせいではないかとも考えられるわけです。作品の善し悪しは編集で決まると言われるほど担当編集の役割は重要ですし、聞けば、最初から金銭目当てで車田先生に近づいたとのこと。そんないつも他人の金をちょろまかすことばかり考えている輩に、良い作品が作れるはずがないと思うのですよ。
もちろん、本当のところは分かりませんし、単純に車田先生自身のパワーダウンだったのかもしれません。ただ、今回の件で幸いにしてウミは出せたわけで、ファンの立場として、少なくとも私は、「きちんとした担当編集が付けば、また以前の車田漫画が蘇るのではないか」と考えてしまったのでした。実際、今は期待しかありません。
となると、やっぱり描いてほしいのは「リングにかけろ3」なのですねw 「2」の連載終了から17年、いい頃合いではないでしょうか。麟童と一菜の子どもの話でもいいですし、もしくは全く関係の無い人間が主人公でもいいと思います。「2」が「黄金の日本ジュニア」を引っ張りすぎたために、何の物語か分からなくなってしまったフシがあるだけに、個人的にはむしろそっちの方がいいかなとも。

と、まあ、先生が苦しんでいる時に少々不謹慎かなとも考えましたが、色々と思うところを書かせていただきました。ただ半世紀近くリングにかけろを心の糧として生きてきて、今後にも期待しているファンもいるということが、少しでも先生の力になればと思う次第であります。
ちなみに、今回の事件をほとんどは「聖闘士星矢の作者・車田正美さん」と紹介していたのですが、いくつか「聖闘士星矢、リングにかけろなどの作者」と報じているメディアがあって、ちょっとうれしかったですw

