「リングにかけろのベストバウトは何か?」と聞かれたら、魅力的な試合が多すぎて、かなり悩んでしまうと思います。最後のタイトルマッチはもちろんのこと、竜児対ヘルガや剣崎対スコルピオン、そして辻本戦なども正統派ボクシング時代のまさに名勝負でした。

しかし「最も衝撃的だった試合は?」との質問なら、多くの人が真っ先に「剣崎対テーセウス戦」を挙げるのではないでしょうか。
そもそも世界大会決勝戦・日本対ギリシアは初っ端からかなり衝撃的でした。なんと言っても日本の先鋒・志那虎がいきなり死んでしまうのですから。

ちなみに、ご存じのように、日本ジュニアは結局全員死なずに生きていたので、厳密には「死んだと思われた」と書かなくてはならないのでしょうが、いちいちそう書いていると、文章がやたら長ったらしくなってしまうため、ここでは敢えて単純に「死んだ」と表記したいと思いますのでご了承ください。
話しを戻すと、志那虎の死は非常にショックでしたが、私もそうでしたが、その時点で多くの読者は後に続く河井、石松もおそらく同じ運命を辿るものと想像がついたと思いますし、実際その通りになりました。少年漫画で仲間がバタバタと死んでいくという展開は、それまでありそうでほとんど無かったので、当時の少年たちにとっては本当にトラウマ級の出来事でした。

ただこれも、やはり多くの人が「さすがに剣崎と竜児は死なないのではないか・・・」と考えたはずで、その意味で次の剣崎戦は、勝敗よりもむしろ「剣崎が死ぬのか死なないのか」が焦点だったような気がします。ということで、剣崎の相手は英雄・テーセウス。「全員に死んでもらおう!」と、最初から殺す気満々なのがすごいです。

そしていきなりメッタ打ちの目に遭う剣崎。これがまず衝撃的でした。日米決戦のN.B.フォレスト、影道戦の幽鬼、フランス戦のクロディーヌなど、これまで全て相手を瞬殺しており、スコルピオンに初めて苦戦はしたものの結果順当に勝利した剣崎が、テーセウスの前では赤子同然だったのですから。

さらにテーセウスのフィニッシュブロー・ハートブレイクキャノン。以前に行ったフィニッシュブロー人気投票でもかなり上位にランクインしていたように、このド直球なネーミングがたまりませんでしたね。

それにしても、中学生のくせに、人を一人殺しておきながら、「即死だ」と笑っているテーセウス。この人、相当「ヤベー奴」だと思うのは私だけでしょうか?w

さて、そしてこの闘いの最大の見せ場はやはりここでしょう。剣崎は他の仲間が次々と必殺パンチを身に付ける中、ずっとフィニッシュブロー無しで闘ってきました。それがようやく真打ちであるギャラクティカマグナムが登場したと思ったら、それからわずか一ヶ月も経たないうちに、もう一つの新パンチがあることを示唆したのですから、私自身がまさに「す、するとまさか・・・」「そ、そんなバカな・・・」の思いでした。

竜児のブーメランフック→ブーメランスクエアー、志那虎のローリングサンダー→スペシャルローリングサンダー、これらはあくまで「進化形」です。そうではなく、左右それぞれの腕に別のフィニッシュブローが宿っている・・・この発想はこれまでに無かったもので、まさに「衝撃的」でした。

天才の証・ギャラクティカファントム!もう本当に格好良かったです。私がマグナムよりファントムの方が好きなのは、このシーンが胸に焼き付いているからのような気がします。そしてこれを打った後、「やはり剣崎も死んでしまうのか」と、当時は涙無しには見られませんでした。

最後になりますが、このテーセウス、ファンの間では「最強クラス」の評価を得ているようです。剣崎は「ポセイドンと並び力はゼウスと同等」と評されるハーデスを相手に、多少は苦戦したものの、最後はあっさり勝っているわけですが、その剣崎より「普通に闘えば実力は上」なのですから、三段論法で「ゼウスよりも強い」と推測するのも、まあそれほど無理な話しではないような気がしますw

*この感動をもう一度アニメで味わいたい人はU-NEXTの無料お試しがお勧めです。

