カイザーナックル

リングにかけろ1リングにかけろ2

「それを手にした者は世界の頂点に君臨できる」と言わしめたカイザーナックル。「なぜそんな代物をオンボロボクシングジムの会長が持っているんだ?」というのは、リングにかけろにおける最大の謎の一つでした。

一応、その訳はリングにかけろ2で明らかになるのですが、それについては後で書くことにして、まずはカイザー初登場のシーンから見ていきたいと思います。

影道に拉致された菊ちゃんを救出するため、竜児が影道の塔に向かおうとすると、「絶体絶命のやむを得ない時に使用しろ」と、大村会長が唐突に差し出したのがカイザーで、これをはめるとパンチ力は十倍以上になると言います。たしかにコンクリートの電柱を一撃でへし折るくらいの威力を見せますが、正直この時に私は「変な形をしたメリケンサック」くらいにしか思いませんでした。

実際、作中でも白虎の間の番人との対決で、ダイヤモンドナックルを砕くのに使用されたくらいで、まさかこの後、物語の中核をなすほどの存在になろうとは、つゆほども想像しなかったのです。

そして、これからしばらくカイザーは登場せず、次に話題に上ったのは十二神戦の最中で、おそらく十二神の一人と思しき男とパンドラの会話の中でですが、この時にはすでに「皇帝の証」やら「世界統一」やら、いきなりものすごいグッズと化していましたw

さらにその後、大村会長がアトランティスやオリハルコンについての解説を行い、菊ちゃんに十二神戦の会場までカイザーを持って行くように指示します。もう、このページだけ見たら、とてもボクシング漫画とは思えないですね。

さて少し話は飛んで、最終的にはカイザーの正統の持ち主同士、竜児とゼウスの闘いになるわけですが、その前にゼウスはカイザーの行方を探せと命じたことは無く、十二神戦自体がパンドラが勝手に画策したものだということが明らかになります。もう、この小娘は一体何なのでしょう?

それはさておき、ゼウスもはじめは十二神の完敗を認め、竜児に傷が癒えてからの再戦を提案していたものの、竜児がカイザーを所持していると分かった途端、手のひらを返し「だったらやっぱり闘わないとダメだよね」と、結局は闘いに突入w結果はご存じの通り竜児の勝利で、二つのカイザーは西の海に帰ることになるのでした。

で、この後、車田先生自身が「最大のスランプ」と公言する阿修羅編へと続いていきますが、これに関しては正直、だんだん話に収拾が付かなくなって、「阿修羅の真の目的は最初からカイザー」にした感が否めないですね。「阿修羅とは何百年も昔にカイザー奪取の命を受けた人間の末裔」というのは、さすがに無理がありすぎる気がします。

このように、十二神戦編、阿修羅編と、物語の中盤から後半にかけて、かくも重要な役割を担ったカイザーナックルですが、リングにかけろ1での登場はここで最後になるため、冒頭で書いたように、 「なぜオンボロジムの会長が・・・?」という疑問を払拭することはできませんでした。

そしてその理由が氷解したリングにかけろ2ですが、それによると、拳の道を究めようとした若き日の大村会長が戦後ギリシャに渡り、先々々代ゼウスと闘って、カイザーの片方を手にしたとのこと。

「おおっ!それで大村会長がカイザーを持っていたのか!長年の謎が解けた!」とちょっと納得した次第ですが、ただ少し疑問が残りまして、その流れだとそれまでは先々々代ゼウスが両方のカイザーを所有していたことになり、だったら彼が世界の頂点に君臨していたはずなのですが、あまりそんな感じではないのですよね。

さらに言えば、大村会長がカイザーを奪取して、片方のカイザーが日本にあることは分かっているはずなので、リングにかけろ1での「行方が分からない」というのは、ちょっとおかしいと思うのです。

まあ、そのあたりは野暮な詮索になってしまうのであまり突っ込みませんが、最終的には麟童と竜童が現役のチンピラゼウスから片方のカイザーを奪って、ここでカイザーの出番は終了です。

察するに、最初は車田御大の思いつきで登場したのであろうカイザーナックルですが、思いのほか事が大きくなって、リングにかけろ1、2両編に渡って物語を左右するほどの大きな存在になってしまった感じでしょうか。

それにしてもカイザーって、捨てても捨てても戻ってきますよねぇw

ちなみに私は当時、パワーリスト、アンクル、アポロエクササイザーは怪しげな通販で買いましたが、さすがにカイザーナックルは買いませんでしたw

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